「突然」という言葉がある。
これは良いケースと悪いケースがある。
良いケースとしては、
「突然」、臨時収入があった。
「突然」、意中の相手に告白された。
などかな。
が、もちろん悪いケースもある。
「突然」、予測していない出費があった。
「突然」、恋人に振られた。
とか。
今回は完全に後者でした。。
ー ー ー ー ー
それは突然、襲ってきた。
今週の月曜日は仕事が休みだったから夜は「あ~、明日から仕事かぁ・・」な~んて思いながら横になりました。
時刻は午前0時30分。
そして始まる。
史上最大の戦いが。
ー ー ー ー ー
時刻は深夜2時。
痛みで目が覚める。
左半身の背中と腹部が痛い。
例えるなら筋肉痛の強化版って感じ。
めちゃくちゃ痛いわけではなく、
「いったぁ・・・」くらいのレベル。
寝ぼけてる状態なので、お腹でも壊したかな?と思い、トイレへ。
しかし便意はない。
でもなんかお腹は張ってるというか、何かが溜まってるような感覚がある。
気張ってみても何もでない。
ゲップしてみるとものすごい胸焼け感がする。
何だコレ・・・・?
取り敢えずトイレを出るもベッドに戻らず、自室で悶々。
すると段々痛みが強くなってきたような気がしてきたんですよ。
「勘弁してよ・・」と思いつつ、この時点で多少は考えましたね。救急車を呼ぶかどうかを。
でもね、乗ったことある人なら分かるでしょ?
あのためらい感w
近所迷惑になるよなぁ?とか。
これくらいで呼んでいいのかな?とか。
救急のはずなのにマイナスなイメージが多くて、な~んか呼びにくい世界になってる気がする。
ー ー ー ー ー
時は経ち、午前3時。
何とか収まるよう、願っていたんですが、、、
いよいよ耐えられなくなってきました。
体中から冷や汗と脂汗の両方が溢れるように出始めて、額からはしたたり落ちるくらい。
頭の中でスイッチが切り替わりました。
「ダメだ、これは・・・」
そう思い、妻に電話。「ごめん、助けて・・」と。
スイッチが変わったせいですかね。ここから一気に痛みが増し増しに。
寝室から妻が下りてきて、廊下でうめき声をあげてる私を発見。
即座に救急車を手配してくれました。
声を絞り出して「サイレン鳴らさずに来てって言って・・」とだけ伝えました。
※後で聞きましたが、「皆さんそう言うんですが無理なんですよ」と言われたんだって。
まぁ救急ですからな。そりゃ無理かw
ー ー ー ー ー
待っている間にやるべきことがありました。
これは絶対するべき私の仕事。
それはパンツを履くこと!!
トイレで降ろしたまま、痛みでのたうち回ってましたからね。。。
あ、はいそうです。廊下で妻に発見された時は下半身があらわ状態ですw
そんな余力はなかったんですってば!!
しかし救急隊員となれば話は別。羞恥心はまだ残ってたようです。
イ、イカン!!
私の粗末なブツを彼らに晒すわけにはイカンぞ!!
最後の力を振り絞り、脱ぎ捨ててあったパンツと寝巻を装着。
まいてぃはぱんつをはいた。
ぼうぎょりょくが2あがった。
はずかしさが50さがった。
あせのにおいがついた。
そうなんですよ。
そのパンツも着ていた上着も汗まみれでした。
しまった・・・どうせなら着替えておくんだった。。。
とはいってももう力は残ってねぇ。
文字通り、最後っ屁でしたから。
止むを得ん!!
「全裸」という最低ラインは突破したんじゃ!「汗臭さ」は連れていけぇぇ!!
※これまた後で聞いたんですが、妻もそう思ったそうで。ここで着替えさせとけばよかったな、と。
ー ー ー ー ー
どうやら家の近所の救急車両を手配してもらったようで、通報してから10分以内には来てもらったみたいです。
まぁ私には永遠とも思えるほど長かったけど。。
自分のうめき声の隙間に聞こえだすあの音。
パーポーパーポーパーポー♪
お、
お、
音を消してくれぇぇ!!
そう願わずにはいられなかった。。。
妻が外に出て救急車を誘導。
そこで到着した隊員さんとご対面。
あ、顔は最後まで見てません。ホントに余裕なかったんで。。勿論、ありがとうも言えなかったのでこの場を借りて感謝の意を伝えたいですm(__)m
取り敢えず肩を借りて外に用意してくれたストレッチャー?っていうのかな?アレに寝かせてもらい、車内へ。
そこで何を話したっけなぁ・・・
どんな様子か、、、
どこが痛いか、、、
吐き気があるか、、、
以前にもこういうことがあったか、、、
アレルギーはあるか、、、、
そうそう、うろ覚えでもいいから、コロナワクチンを何回打ったかも聞かれました。
でね、、痛いんですよ。
救急車に乗ったとはいえ、何にもしてないからトーゼン痛いんですよ。
どんな姿勢になっても痛いのよ。。
だから問診に答えるのはそろそろ限界でした。
この辺から妻に会話をバトンタッチ。
今日の救急病院担当は〇〇と◇◇と▽▽がありますけど希望あります?と聞かれて、とにかく近いトコにと。
んで隊員さんが電話してもらい、受け入れOKが出たので出発。
分かってますよ。
懸命にしてもらったのは分かってますよ。
ただね、痛いのよ!!
待ってる時間が地獄で余裕がないのよ!!
だから内心、「はよしてくれ・・」って思ってました。
ようやく出発した車両。
どの病院かは分からなかったし、どの辺走ってるかも全く分かりませんでした。でも覚えてるのは揺れが少なかったってこと。
さすが救急車とそのドライバー。お見事でした。
ー ー ー ー ー
数分後、病院に到着。
この頃はMAXレベルくらいの痛みでした。
この「くらい」ってのがポイント。まだMAXではないのだ・・・
ストレッチャーでガラガラと運ばれ、処置室へ。
そこでまず覚えてるのがこの声です。
「1、2、3」
そう!ドラマとかでよく聞く看護師さんたちが患者を移動させるときに使うあの掛け声ですよ!
不謹慎かもしれませんが、これを聞いたときちょっと嬉しかったかな・・w
(余裕あったのかも・・w)
ただちょっと文句が言いたい。
何に対してかというと、この掛け声が使われた時にですよ。
「1、2、・・」
(おぉ、、これがアレか・・)
「3!!」
ス~~ッ・・・
上昇するストレッチャー。
(アレ?上がっただけ?)
そしてこう言われました。
「隣に移動できます?」
と。
ち、ち、違~~う!!
TVとちが~う!!
自分で移動なのね~ん!!!
どうやら上がるための掛け声だったようです。
さすがに笑う余裕はなかったけど、肩透かしをくらったのは覚えてます。
ー ー ー ー ー
自分で移動してから先生登場。
そして「痛みがひどそうだから、強めの痛み止め打ちますね」と言われる。
嗚呼、、ようやくだ。
ようやくこの痛みから解放されるんだ。
時計は見てませんでしたから、どれくらい我慢したかは分かりません。
しかしめちゃくちゃ長く感じたのは事実。
ホントに辛かった。。。
即座に効かないのは分かっていても、この言葉と注射のチクッとした痛みがとても嬉しく、どこか安堵感に包まれました。
それは体の力を抜くきっかけにもなりました。
その後、点滴を打たれ、CTを撮るから準備のため、少し待機。
その間に効いてくるだろうと待ってました。
待ってたんだけどねぇ・・・・
待ち焦がれてたんだけどねぇ・・・・
全然効かないんですけどぉぉ!!!
ちっとも痛みがひかないんです。
打つ前となんにも変わらないんです。
え、、待って待って。
もう期待しちゃったし、安堵しちゃったよ?
力抜いちゃったよ。。。
そんな私を横目に全力で襲い続けてくる痛み。
ギャップが激しい。
もう一度、力いれなきゃ。
もう一度、緊張しなきゃ。
そしたらね、、
ゲロ吐きました。
めっちゃ戻した。
何でか知らないけど急に戻した。
何か怖くなったんですが、後で聞いたらあまりの痛みで嘔吐するんだってさ。
その後、追加でもう一本痛み止め打っても効かず、とどめのコルトパイソン「座薬」をブチ込まれましたが、それでもこの病院を出る最後まで聞くことはなかったです。。。。
ー ー ー ー ー
全然ひかない痛みと戦いつつ、ここでCTを撮るために移動。
あ、その前にもう一度処置台から移動させられましたw
CTスキャンってすごいですよね。
人間の内部を鮮明に画像として見ることが出来る。
切らずに中身を確認したい、という医学の願いを形にしてくれた素晴らしい機器。
しかしルールはもちろんある。
それは静止した人間じゃないといけないってこと。
のたうち回る痛みと戦ってる私にはなかなかの難題だったのは言うまでもない。
後は途中で言われる、
「吸ってぇぇぇ、吐いてぇぇぇ・・」
「止める!!」
てアレ。
キツいんですよ。だから二度もさせないでよ。。
それでもケッコー頑張ってじっとしてたつもりだったんですけどね。
私は覚えてませんが、取り終えて処置室に戻ってる最中、待合所にいる妻が聞いたそうです。
「動くから全然とれんわ」てぼやく技師さんの声を・・・w
頑張ったんだけどなぁ・・・
※とは言ってもね、全てを終えて最後に診察室でそのCTを見せてもらいましたけど、ちゃんと撮れてたゾ。医者じゃないから知らんけどw
ー ー ー ー ー
戻ってきて少し経ってから画像をみた先生からこう言われた。
「尿管結石って知ってる?」
あぅ、、、そうか。
これって尿管結石だったんだ。
CTにちゃっかり白い物体が写ってたようです。
ただかなり膀胱寄りの場所にあるらしく、もうすぐ出るんじゃね?ってなポジションに石があるそうです。
経験者ならご存知でしょうが尿管結石は基本、自然に出るのを待つしかない。
出来ることはただ一つ。
水、分、補、給!
というわけで追い点滴へ。
しか~し、この時の私は絶賛痛みと格闘中。
連戦連敗中なのに許してくれない痛みと格闘中。
ですからのたうち回ってるんです。
そしてのたうち回ってる人の腕に点滴は打てないんです。
どうしたものか、と看護師さん。
そこで考案したみたいですよ。
足に打つという方法を。
ー ー ー ー ー
ここで今一度言わせてほしいことがある。
歳を重ねる度に注射というのが不思議な行為だと思い知らされる。
針を人に刺すわけですからね、痛いのが当たり前。けれども何故か全然痛くもない時があるんですよね。
それは刺す人の技量に違いなし。
上手い人が打つとホントに全く痛くない。
けれどもそうじゃない人が打つと、時にはシンジラレナイほど痛い。
今回はどうか?
うん、
シンジラレナイほど痛かったです。
打った時のやり取りはこんな感じ。
いたぁぁぁ!!
はい、痛いね~
もうすぐ痛み止めも効くよ。
ちが~う!!
足のほう!!
※刑事物語風に言った。
しかもちゃんと刺せてないし。
最終的に両足含めて4回ほど刺されました。
そして全て失敗しました。
結局、腕に打つ方向に戻しました。
どやねんって!!!
ともあれ点滴を両腕に刺されてダブルライフルで水分を体に入れられる私。
しかし痛みは全く衰えず。
そのまま台の上でず~~っと悶えてました。
今思っても例える痛みの例がありません。
刺すような鋭い痛みでもないし、筋肉痛みたいな鈍い痛みでもありません。
でもどっちかといえば私は鈍い系寄りの痛みだったとも思うけど、やっぱり独特でしたね。
ー ー ー ー ー
永遠とも思える時間を過ごしてました。
いつ終わるか分からない。
しかし世の中にはこういう摂理がある。
始まりが「突然」ならば、終わりも「突然」なのだ、と。
ふとこう思ったんです。
トイレ行きたいって。
そして気付きました。
痛みがなくなったことに。
それを看護師に伝えてトイレに行こうとするも、履物がない。
どうやら待合室の妻が持っててくれたようです。
看護師が取りに行ってくれた時、ようやく処置室にあった時計を見れました。
時刻は午前6時。
痛みの始まりから約4時間。
ようやく史上最大の戦いの戦いが終わったんです。
トイレに行き、小便を済ませました。
勿論、石なんか出てません。そんな簡単には出ないでしょう。
けれども何かが出ました。
痛み、恐怖。その類いの何かが出ました。ようやく戻ってこれたような気がします。
深く呼吸をしましたね。
そして気付きました。
自分の身体が死ぬほど
汗臭いことにw
4時間ずっと汗を出し続けてましたから。
着てた服は早い段階からビショビショ。
喉もカラカラ。
そら臭いわな。。。
※これも後で聞いたんですけど、妻もそう思ってたようですw
その後は処置室に戻らず、待合所で診察を待ってたんですけど、そこでもう一つの気付きが。
身体中が筋肉痛なんです。
これもよくよく考えれば当然。
全身を使って悶えてましたもん。
バッタンバッタン動いてましたもん。
そら疲れるわな。
疲れた体を振り絞って最後の診察へ。
途中でも書きましたが、そこでCTの画像を見せてもらったりしてはい終了。
ようやく病院を後に出来ました。
あ、違った。
深夜料金込みのまぁまぁする診察代払ってから、病院を後にしたんだった。
あんまり持ち合わせがなかったのでね、、そこから歩いて帰りましたよ、ええ、ええ・・・w
ー ー ー ー ー
先生が行ってました。
「女性の患者さんが言ってたけど、陣痛と同じくらい痛い、ってさ」と。
後にネットで見ても男性が生きてる間に味わう痛みのナンバーワンだそうです、尿管結石って。
妻にこう言われましたね。
「お母さんのありがたみがわかったろ?」と。
ホントにね。
こんなの耐えてたなんて。。しかも何時間も。
まぁね、生みの苦しみと単なる苦しみを同等にするのも変ですけどw
ともあれ人生初の経験が出来ました。
ぜんっぜん、嬉しくとも何ともないんですけど、今は無事に終わったことにホッとしています。
しかしネットを調べると不吉な文言を目にしてしまいました。。
再発の確率は高い、と・・・・・
part2はいらないよ・・・
長文かつ駄文にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m
コメント