朱色の空。
祈りと願いを込め、使命を帯びたその彩は
やがて世界を変える。
蒼く、蒼く、より青く。
春の風は人に一つ上の優しさを教えてくれる。
レジ打ちを待ってる際、荷物を転がした老人のことを気に掛けて声を掛ける店員さん。
お店から車で出る際、譲ってくれたドライバーの顔は優しく、手は下から差し出されている。
別に春だから優しくなるわけではないのかもしれない。
その人たちは春夏秋冬、同じ対応をするのかもしれない。
私の気の持ち様。
ちょっぴり薄緑の日差しで気が浄化され、ちょっぴり青い風によって身体は地面からほんの少し浮き上がる。
笑顔になるんだもの。
だからきっとそんな優しさを見つけられる。
気分が落ちている時ってオーバーに言えば地面に押しつぶされるような感触がある。
「何でこうなんだろう・・」
「いつまで続くんだろう・・」
簡単に上向きにはなれない。
そんな時、上のようなちょっとした優しさに救われる時がある。気付かされることがある。
そしてこう言うのさ。
キミは一人じゃないって。
マイナスなことばかりに目がいってるけれど、実は意外と優しさに囲まれてるんだな。
なんだ、ちゃんとあったかさを感じるじゃないか。
人の優しさが見えたとき、気付けたとき、受け取ってるって分かったときがある。
そんな後はきっと少しだけ誰かに優しく出来る。
こういったのを徳って言うのかな。
一昔前はこんな風に思える自分が未熟だな、なんて卑下する思いがあった。どこかカッコつけてた部分があったから。
でも今はあんまりそう思わない。
季節を感じることで優しさを感じられるなんて素敵だな、って思うことも出てきた。
川沿いにあるベンチ。
前は芝生と桜の木々が立ち並ぶ。
きっと数週間後に色んな人が座り、それぞれの顔で空を見上げ、その先に聞こえる春の音に救われるのさ。
多分このベンチも今まで色んな優しさで彩られてきたんだ。ただずっとそこに在ることを続けてるだけなのに。
何だかかっこいいゾ。
春の風はとにかく情報量が多い。
過去の出会い、別れ。
現在の到着、旅立ち。
未来への不安、希望。
もう色褪せた春もある。
今だから見える春もある。
きっと明るいさ、と願う春もある。
どれも共通する思い。
誰かと願い、誰かの望み、誰かに託した。
ありがとう。
一緒に居てくれて。
そっと深呼吸してみよう。
誰にも聞こえないようにそっと。
乾いた空気は少し濁った排気の奥が多い。
けれど微かに届く煌めく命の香りも在る。
大丈夫。今年もちゃんと春を連れてきてくれたよ。
今度は大きく吸ってみよう。
うん、大丈夫。
傍らのバッグから彼らの💩がしっかり臭うよ。
おあとがよろしいようで。
ではでは~
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