解禁の悦



「社長。今なんとおっしゃいました?」



「何だそのCM明けのような常套句は?無しにしてもいいんだが?」


「いえいえ、そのようなつもりは毛頭ありません。ですがしっかり確認しておきたいだけでございます」


「ふん。だから解禁すると言ったんだ」


「では・・明日から・・」


「ああ、明日の朝からで構わない」


「ありがとうございます。皆も喜ぶと思います」


「皆?君が、だろう?私は複雑だよ」


「いやはや、何もかもお見通しで。仰る通りでございます。ご厚意、感謝申し上げます」






解禁か・・・

社長室を出た後、ふと呟いた。そしてちょっとだけ吹き出してしまった。恐らく自分の想像以上に自分が嬉しかったのだろう。

大した期間ではない。たかだか2ヵ月も経っていない。それでも再び再開出来ることは嬉しい。

解禁されるということは禁止されてる前提がある。そして禁止という我慢の一種には閉塞感を感じる。大なり小なり長短あれども、貯められたダムの解放は人の心に健やかな空気を運ぶ。

ボジョレーヌーボーの解禁なんかもそんな気分なのだろうか。私はワインなんて飲まないので全く分からないが。

しかし見透かされたものだ。
そうだ。喜んでるのは私だ。むしろ私だけなのかもしれない。


あぁ。
時間が経てば経つほど実感がわいてくる。
いよいよ解禁されるんだ。















外で洗濯物を干すことが。


というわけで猛烈な花粉症持ちの社長(妻)から解禁のお許しが出ましたので、今朝から外干ししました。

いや~、何か気持ち良いね。
朝からベランダで洗濯物を干すってのは。
なんか、、こう、、ね。干せば干すほど乾くのを期待しちゃう。

全部干し終わった瞬間、なんか良い一日が始まるような予感がしてくる。

これは同時刻でも部屋干しでは絶対起きない感情。

それが解禁されるってのは自分の想像以上に嬉しかったようです。

社長!!ありがとうございましたm(__)m

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