命の洗濯



お風呂は命の洗濯、と言われてる。

一体誰が言ったのだろう?と思い、今調べてみたらな~んとエヴァのミサトさんなんですって。
そういえばシンジくんに対して言ってたな。
いやいや、アニメのいちセリフとは言え、言いえて妙な言葉だと思う。



風呂、というか湯舟というのは不思議な世界。
その日の終わりに文字通り、裸で入る場所。
例えその一日が最悪の日であった場合でも、暖かい液体が体を包み込んでくれることで、いつの間にか許される気分になる。
それはアッツアツのお湯か、はたまたぬるま湯かは人それぞれの好みに調整出来る。


若い頃はお風呂なんてシャワーだけで十分だった。特に一人暮らしをしていた頃はお湯と時間が勿体ない、なんて思ってたし。
それがいつしか湯舟に浸かるのが当たり前になっていった。


多分、染みついた何かを落ちなくなったから。
それこそ若い頃はただただ猪突猛進で突っ走るだけだったし、なにより体力があった。
だからシャワーの水流だけでその日の全てを洗い流せていた。それでグースカ寝ればはい回復。
しかし年を重ねる度にちょっとずつナニカが落ちなくなってくる。
疲れだったり、背負う物だったり、変なプライドだったり、加齢臭だったり。。。
気付いたら湯舟に浸かる日が増えていき、今となってはシャワーだけなんて無理無理むりぽ。。

もしドラクエみたいにHPが表示されてるなら、確実に回復していってるのが見えるはず。



思い出の湯舟がある。
あれは20代の頃。
教師を目指していた若かりし頃。
採用試験の時期に入ったお風呂が忘れられない。

採用試験というのは夏に試験があり、都道府県ごとに試験日が違う。しかし違うからって全国すべての試験を受けるのは不可能。大体近い県の試験日というのは重なっており、如何に時間とお金に余裕があったとしても多数の弾を打てるわけではない。

その頃、福岡に住んでたけど試験は熊本と徳島を受けたはず。それがまぁまぁの弾丸ツアーだった。

まず一日目は熊本に行って試験を受ける。終わると即座に帰宅し、そのまま小倉港へ行って愛媛行の夜間フェリーに乗る。
二日目の朝、愛媛入りをしてそのまま徳島までのバスに乗車。到着後、ホテルに入ってそのまま試験勉強。勿論、移動中も全て勉強。
三日目は徳島で学科試験を受けてようやく一息。またもや愛媛にバスで戻り、実家で休息。

その日の夜に入った湯舟が何ともね、、この世のものとは思えぬ気持ち良さだった。

まだ試験は終わってないけどその日までめちゃくちゃ勉強し続けてた。塾講師も休止してバイト一本で時間を作り、全て試験勉強に当てていた。
そして迎えた試験日も弾丸ツアーだったってのもあるけど、それ以上に色々緊張してたってのも大きい。

全て疲労となって溜まってた。
全て実家風呂が受け止めてくれた。



思えばあの快感を求めて湯舟に入り続けてるのかもしれない。
あれ以来、似たような感覚はあれども超える感覚はないと思う。

それは若さとかではないと思う。
それは風呂の種類でもないと思う。
きっと情熱。
忙しさとかではなく、かける熱量だろうな。

足りてない。
もっと燃やせ。

今日はこの辺で。
ではでは。

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